日本画 その2
井の頭自然文化園でモチーフ探しのスケッチをしました。 野外スケッチは、外の環境で絵を書き続ける集中力がないので苦手意識を持っていたのですが、スケッチの考え方を聞いて気楽になりました
  • まずはどういうものを表現したいかをまず考える
  • そして、それを表現するためにはどういう材料が必要なのか考え、その材料を集める。スケッチは絵を描くための資料をつくると考える。
  • 小さい画面でいいので色々なものをスケッチする
  • 材料を集め描くものを決めたら、詳細をスケッチする。ソレらしさを出すためには構造・デティールを確認する必要がある
  • なるべく色を記述しておく、色鉛筆等なければ色を表す言葉のメモをする
小下図
書いたスケッチを画板にペタペタ貼って絵の構成を考えます。 考えた結果、竹の柵に彼岸花の影が落ちたカットが、間接的に色々なものを表現してそうで面白かったので、それに決めました。
大下図
いわゆる下書きです。F15のキャンパスに描くというルールでしたので、それより大きいB2サイズの画用紙に描いていきます。
ざっくりした下書き
書き込んだ下書き
塗り
以下のような手順で塗っていきました。
  • まず下地で胡粉を2〜3回塗ります。
  • その上に上汁黄土と黄緑系の水干をばしゃっと垂らして塗っていきました。
  • その上にオレンジと胡粉を混ぜたものを刷毛で全体に塗りました。
  • ここで初めて大下図をトレーシングペーパーに移したものを使って骨描きをしました。
  • 墨で暗くなりそうなところをざっと塗りました。
  • ここではじめて絵がボロボロ取れてきていることに気づきます。要因は下地の胡粉の膠の量が少ないor水が多すぎるため定着されていためでしょう。
  • その場合その上から絵を書いても取れてしまうので、完全に乾かしたあと、ぬるま湯を刷毛で全体に塗って胡粉を一度落とします。
  • 落ちたあとは紅や黄色や橙を混ぜて下地を塗っていきます。筆だけではなく、皿から直接垂らしたり、ティッシュに染み込ませて表情を作ると面白い動きになりました。
そんなこんなで、いろいろ試していたらこんな感じになりました…。まだ失敗ではないはず。
いろいろ試した結果
胡粉のこういう表情はよい
一度、リセットしようと思い、最初に紅、その上に黄色と橙を混ぜたものを履けで全体に塗っていきました。 ここでもまた一部が取れていってしまいました。 一度湯で洗い流すと紙が弱くなってしまうのでどうしようもない面もあるそうです。 また、絵の具を乾かす際にドライヤーを使っていたのですが、ドライヤーは急速に表面だけ乾くが、下の紙まで乾いていないことがあるので、崩れやすいそうです。 ドライヤーを使うなら温風ではなく冷風を使う方が良いらしいです。
リセットした結果
絵の具が剥がれた様子
その後、骨描き&竹を塗っていきます。地面周辺は土感を出すために岩絵具の丁茶5番を塗っていきました。
土や苔を表現するには岩絵の具のザラザラ感がとてもあっています。
光があたっている部分と影になっている部分のコントラストを出したかったので、光を入れつつ他の部分も書き込んでいきます。
完成です。反省点は以下です。
  • 竹の切れている所は背景に溶け込むようにグラデーションをもっと出せればよかった。
  • 影の感じをもっと出したい、竹を描くのに時間をかけすぎた。
  • 岩絵具での土の表現は良いが、全体的に堅い感じになっている。無理に立体感を出そうとしたのが良くなかった。
本内容は武蔵野美術大学 通信教育課程「日本画」の講義で作成したものです

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