近年オープンなデータを提供する場所は増えてきましたが、それが必ずしも自分の都合良い形で可視化するのに適した形でデータが用意されているとは限りません。 ですが、ネット上にバラバラにあるデータをつなぎ合わせて、それを見せたい形に加工することで今まで見えてなかった物が見えてくる事が結構ありそうだと感じます。
新しいゲームソフトが発売されるとWikipediaにその発売日や販売会社やプラットフォームの情報を誰かが載せています。 ファミコン時代でもその情報はちゃんと載っています。 そこで、Wikipediaに載っている1983年から2019年までの様々なゲームソフトの発売ハードと発売日の情報をスクレイピングし、それを可視化するとゲームの歴史の一面が可視化できるのではと思い試しました。 なお、この情報は日本語のWikipediaで収集したものなので、日本での状況となります。 これらのWikipediaからのスクレイピングやグラフの作成は全てPythonで行っていました。
長い間年間1000タイトル前後を推移していましたが、近年インディーズゲームなどのダウンロード専売タイトルの盛り上がりから、 リリースタイトル数は急増していることが分かります。
こちらはパッケージとダウンロード専用タイトルに分けたグラフです。 近年はタイトル数ではダウンロード専用の方が2倍以上多くなっています。
こちらはソフトタイトル数ではなく販売会社数の推移でみたグラフです。 同じくインディーズタイトルの盛り上がりで小規模開発会社が一気に増えたことが分かります。
近年インディーズの盛り上がりで年間総タイトル数は増えているとはいえ、ソフトタイトル数の累計はPSとPS2が頭一つ抜けていることが分かりました。 NintendoSwitchは2017-2019の3年間で1500タイトルを超えているのでこのペースで行くと最終的にはPSやPS2の水準まで行きそうです。
ハードごとの全タイトルに対するダウンロード専売タイトルの割合です。 最近のハードはダウンロード専用タイトルの比率が非常に高い事がわかります。 タイトルの多様性という意味ではダウンロード専用タイトルの果たす役割はとても大きいと言えます。
次に縦軸をハード、横軸を西暦にしてハードのサイクルが分かるようなヒートマップにしてみました。 上がソフトタイトル数、下が販売会社数でのヒートマップです。 ハードのサイクルとしては最大でも15年(NEOGEO/GB)でした。 ただこの2つはネオジオカラーやゲームボーイカラーも含んでいるので、 単一ハードで考えるとPS2の14年が最長でした。 年間でのソフトタイトル数/販売会社数の最大は共に2019年のNintendo Switch(789/275)でした。
こちらは、横軸を各ハード発売からの経過年、ヒートマップの値はそのハードで発売された総ソフトタイトル数に対する その年で発売されたタイトル数の割合(%)になっています。何年目が一番タイトル数が多いのか分かると思います。
上のヒートマップだと短命で終わったハードの影響で色が持ち上がりすぎてしまい分かりにくくなってしまっているので、 2019年時点で5年以上ソフトをリリースしているハードに絞ったのが以下です。 大体のハードが3-5年目にピークを迎えていることが分かります。この中ではGameBoyが12年目がピークになっているのが異彩を放っています。 おそらくゲームボーイカラーの発売やポケモン登場による市場の活性化だと思われます。
ゲームソフトが発売された曜日ごとの割合や日毎の割合を出してみました。 ハードで見ると昔は金曜日発売日が多かったが、PSが木曜日発売になりはじめ、他のハードがそれに追従していっているのが分かります。 ただ、最近では火曜、水曜、金曜も増え始めている傾向にあるのも分かりました。 また、年代で見ると発売日の曜日は2000年代以前は金曜日が多く、2000年以後は木曜日にそれがシフトしていって、 近年はまた金曜日が少し増え始めたことが分かります。 また発売日は結構分散していますが、昔は比較的月末が多いことが分かりました。
最後に全ハードを合計したゲームソフトタイトル数が多い上位30社を並べました。 ファミコンからの総計のため、その間会社名が変わったり、吸収・合併などもありますので正確なものではありません。