- 日本で描かれたものは画材問わず、精神的な真髄で描かれている絵はすべて日本画
- 日本画絵具で描かれた絵が日本画
- 明治以降の日本画絵具で描かれた絵が日本画
- 日本画絵具で書かれていれも、岡倉天心、フェノロサ系譜の絵が日本画
岩絵具は天然の岩(宝石)を細かく砕いたものです。 粒子の大きさで1〜15+白(ビャク)の16段階があります。1のほうが大きいです。大きいものの方が接着が難しいです。 岩絵具は粒が大きいので、水干絵具とは違い、溶けることはなく比重の差ですぐ分離してしまいます。 なので、キャンバスに「塗る」というより「置く」という表現が正しいと思います。 粒子同士の隙間が空きやすいので全体の均一な塗りは難しいです。 天然の高い岩絵具は存在する数が限られていてとても高価です。 なので、お金がある人ではなく、ちゃんとその絵具を使える人が使って欲しいと先生が話されていました。
新岩絵具はガラスの原料の粉末と金属化合物を配合して、溶かして固形にして砕いて人工的に作ったものです。 岩絵具と比べると安価です。
天然の岩絵具は焼くことで別の色に変わります。 例えば辰砂(HgS)は鳥居の朱色などに使われていますが、熱を加えることで黒辰砂に変わり、黒色になります。 ただ、HgS + O2 → Hg + SO2 となり、有毒な二酸化硫黄が発生するので、今は作られていないとか…。
日本画を描いたりいろいろな作品をみてまず感じたことは、「リアル」ではないが、「らしさ」を感じたことです。 ルネサンス時代の西洋画のようなどんどん解像度を上げていく方法ではなく、特徴を捉えたシンプルな記号化された表現を使って「らしさ」を表現しています。 そして、この特徴を捉えたシンプルな記号化された表現というのは「型」とも言い表せるかと思います。
型の例として花札が挙げられると考えられます。 花札は季節の特徴を捉えてシンプルに表現していると思います。 そして、現在では様々なIPの花札も作られたりしていますが、これも「型」から色々派生したものと言えると思いました。
「型」は人が想像する理想であり、それは何を省略して、何を誇張するかをいろいろな人が「型」を元に試行錯誤した結果の積み重ねとも言えると思いました。